私の母は田舎の持ち家に住んでいます。私も弟も実家を離れて結婚し、自宅を購入しています。
ですので、私たちは田舎に帰る予定はありません。
最近友人が、「田舎にいる親が認知症になると大変らしいよ」と言っていました。
私にも当てはまりそうな気がするのですが…
もし母が認知症になったらどうなるのでしょうか?
まずは「空き家チェック」をしてみましょう!
①実家は親の持ち家だ NO ⇨心配ありません
YES
⇩
②実家の名義人の判断能力は十分だ NO ⇨⇨手遅れです
YES
⇩
③実家には両親 or 片親だけが住んでいる NO ⇨大丈夫です
YES
⇩
④将来は子供が実家に戻って住む予定だ YES ⇨大丈夫です
NO
⇩
実家が空き家になる可能性が大きいです!
では、親が認知症になったら…?
実家の持ち主がお母さんで、お母さんが認知症になった時のことを考えてみましょう。
お母さんが認知症になり、一人暮らしも危険になってきたので施設に入ることにしました。
母の毎月の生活費は年金では賄えないし、入所費用にまとまった額が必要ですので、
実家を売って介護資金を確保しようと思った時…
「売主であるお母さんの意思が確認できないのでお家は売れません」と
不動産屋さんに言われてしまいます。
私たち司法書士も、お母さんの意思確認ができない時は、お家の名義変更のお手伝いはできません。
では、どうすれば…?
どうしても売りたいなら、お母さんに「成年後見人」という人をつけて、
その成年後見人に売ってもらう必要があります。
しかも、自宅の売却には家庭裁判所の許可も必要になり、許可がおりるかどうかは不明です。
銀行口座の解約手続も同じです。
お母さんの定期預金を解約しに家族が銀行へ行っても、お母さんの解約意思が確認できないので、
口座は解約できません。「成年後見人をつけてください」と言われてしまいます。
面倒を見る子供たちに介護資金に回せる潤沢なお金があれば問題ありませんが、
殆どの場合、子供世代は40代~50代で、大きな教育費がかかってくる時期です。
「いつまでも介護費用を立替払いするのはとてもキツい!」というお話も実際に聞きます。
認知症になった親名義の財産は、凍結してしまうのです。
日本全体を見ても高齢化による認知症で、凍結される金融資産が2030年には
200兆円を超えると予測されています。これは日本経済にとっても大問題です。