今はまだ元気だけど、将来は心配…
もしも私の判断能力が不十分になった時に、支援してくれる人を決めておきたい。
そんな時に、本人と支援者(=任意後見人)との間で支援内容を予め決めておけます。
成年後見人は、本人の判断能力が低下してから家庭裁判所が選任しますが、
「任意後見人」は、本人の判断能力が低下する前に自分で信頼できる人を選んでおいて、
自分の判断能力が低下したら任意後見人が本人の代理人となります。
任意後見人には、家庭裁判所が選んだ「後見監督人」がつきます。
この後見監督人は、任意後見人のお目付け役です。
任意後見人は、本人の財産状況や管理状況を後見監督人と家庭裁判所に報告し、
後見監督人は任意後見人の仕事内容や素行をチェックします。
任意後見契約には、即効型、移行型、将来型の3つのパターンがあります。
①今から支援を受けたいですか?
はい いいえ ⇨ 将来型へ
⇩
②今の判断能力に不安がありますか?
はい ⇨即効型へ いいえ ⇨移行型へ
1 即効型
任意後見契約(※1)と同時に、家庭裁判所に任意後見監督人選任申立を行います。
法定後見制度(成年後見人)を利用した方が良いかも知れません。
2 移行型
任意後見契約と任意代理契約(※2)を結びます。
3 将来型
任意後見契約だけを結びます。
※1 任意後見契約とは
判断能力が不十分になった後に支援を開始させるための契約です。
契約時に当事者間で合意した特定の法律行為の代理権によって支援します。
同意権・取消権による支援はありません。
※2 任意代理契約とは
判断能力のある今から支援を受けるための契約です。
任意後見制度に基づく契約ではなく、通常の委任契約です。
契約時に当事者間で合意した特定の法律行為の代理権によって支援します。
同意権・取消権による支援はありません。
任意代理契約は、本人が任意代理人の監督をします。
すなわち、本人以外に任意代理人の仕事ぶりをチェックする人はいません。
本人の判断能力が減退してチェックが難しくなったとき、
約束どおり家庭裁判所に任意後見監督人選任申立ての手続きをしない……
という事も考えられます。
監督機能を持たないので、利用するときは慎重な対応が必要です。
☆みまもり契約
具体的な支援はしませんが、1カ月に1度等ときどき連絡をとり、
本人を見守りながら信頼関係を継続させる契約です。
適切な時期に任意後見監督人選任申立ての手続きをするためです。
☆報酬
任意後見人の報酬は、本人と結んだ「任意後見契約」で合意した金額です。
だいたい1か月3~5万円くらいが多いようです。
また、後見監督人にも報酬が必要です。
後見監督人の報酬は家庭裁判所が決めますが、その額は成年後見人の半額程度の
1か月1.5~3万円程度が多いようです。